長野電鉄は、2021年夏季については3500系車両の運行を原則として行わない方針を発表しました。
長野電鉄によると、3500系は他の車両と比べて冷房能力が低く、快適性の面で難があるとのことです。加えて、新型コロナウイルス感染予防対策として一部の窓を開けて運行しているため、猛暑が続く中で車内温度が上昇し、利用者に迷惑をかけることが多くなっているとしています。
このような理由から長野電鉄は、他の車両の検査の都合などやむを得ない場合を除き、2021年夏は3500系車両の運行を行わない方針とすると表明しました。
3500系は、その外観のイメージから「マッコウクジラ」の愛称で親しまれた、旧営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線3000系がベースとなっています。長野電鉄向けに譲渡・改造され、普通列車の代表車両として活躍してきました。後継車両の導入により3500系の編成数は徐々に少なくなっており、現在は2編成計4両が運行しています。より製造時期の新しい、東京メトロ日比谷線03系を改造した3000系車両の導入が2020年から始まったことに伴い、残りわずかな3500系も順次引退することが決まっています。
鉄道ファン向けには、3500系の乗車や写真撮影を希望する場合、秋以降に来訪するよう呼びかけられています。3500系は基本的に3000系と共通の運用が組まれていますが、夏季を除き、特定の時間帯の行路(須坂駅5:33発・湯田中駅行から長野駅13:30発・須坂駅行まで、運転時刻上表を参照)には3500系が充当されることが比較的多いとのことです。